Ep.4 映画ロケ地案内~ブルックリン・ダンボ~|ニューヨーク映画案内

ニューヨーク映画案内

ニューヨークを舞台にした映画は数ありますが、皆さんはどのロケ地が印象に残っているでしょうか?今回は、観光を楽しめるニューヨークのロケ地をご紹介したいと思います。

寒く長い冬を越えて、春真っ盛りとなりました。暖かくなると、ゆっくりと散歩したくなります。そんな陽気にぴったりなのが、マンハッタンのスカイラインを望むことができるブルックリンのダンボ。ダンボは「マンハッタンブリッジの高架下」(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)という意味のイーストリバー沿い、ブルックリンブリッジとマンハッタンブリッジに挟まれた小さなエリアです。

もともとは倉庫が多く立ち並ぶエリアでしたが、土地区分が変更されてから次々と高級コンドミニアムが建設され、それに伴いカフェやこだわりのお店、そして元倉庫の建築を活かしたオフィスなどができました。かつてのニューヨークを知る人たちの話ではかなり治安の悪い場所だったそうですが、今ではおしゃれなエリアとして生まれ変わっています。

そんなダンボの景観を生かした映画の代表格といえば、セルジオ・レオーネ監督の1984年の名作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」。マンハッタンブリッジを背景に石畳の道を歩くショットは、ポスターにも使われた有名な画です。この場所は、今でもほぼ同じ画角で写真撮影することができ、かなり人気の撮影スポットです。週末には写真や動画撮影をする人たちが道に溢れ、進むことも困難なほど。

そんな道を北に進むとすぐ、イーストリバーに接するエリアに出ます。ペブルビーチという名の通り、小石(ペブル)の敷き詰められた小さなビーチに立つと、マンハッタンのスカイラインを一望できます。そこで目に留まるのは、ガラスの箱に収まった美しいメリーゴーランド。「ジェーンズ・カルーセル」と呼ばれています。

このメリーゴーランドを見ると、2023年のセリーヌ・ソン脚本・監督「パストライブス/再会」を思い出す方もいるのではないでしょうか。ライトアップされたジェーンズ・カルーセルを背に座り見つめ合うノラとヘソン、とても印象深いシーンです。このメリーゴーランドは乗ることもできるので、乗って楽しんでもよし、近くのベンチに座って眺めて楽しむのも一興です。

そして、ここまで来たらぜひ立ち寄っていただきたいのが、ジェーンズ・カルーセルのすぐ向かいに建つエンパイアストアズです。倉庫だった建築を改装してできたここは、一階はタイムアウトマーケットというフードコート、上階はオフィスとレストランです。そしてここには、誰でもアクセス可能の広いルーフトップエリアがあり、そこからの眺めは足を運ぶ価値あり。右にマンハッタンブリッジ、左にブルックリンブリッジが見え、イーストリバーから通り抜ける風が心地良く、また陽が沈むにつれ変わりゆく景色も十分に堪能できます。

 そして少し体力に余裕があれば、ここからブルックリンブリッジを渡ることもおすすめです。ブルックリンからマンハッタンまで、徒歩だと20~30分ほどで渡り切ることができ、記念撮影にもとても良い場所です。反対側にたどり着くと、マンハッタンの南、市庁舎のあるシビック・センターというエリアに出て、チャイナタウンもすぐ近くです。

石造りの柱からケーブルが伸びる印象的なデザインのブルックリンブリッジは、ニューヨークと聞いて最初に思い浮かべる方も多いかもしれません。この橋の上で撮影された映画もいくつかありますが、有名なものだと「ソフィーの選択」や「セックス・アンド・ザ・シティー2」などです。

特に1982年製作「ソフィーの選択」では、ソフィーとネイサン、スティンゴが乾杯する中、空撮で捉えられた夜のブルックリンブリッジのショットがとても印象的です。この作品で、メリル・ストリープはアカデミー主演女優賞を受賞しました。

そんな数々の映画の舞台となったダンボエリアは、外を歩くのが心地よい春から初夏に訪れるのがおすすめ。夏には、近くのブルックリンブリッジパークで無料の映画上映もされているので、そちらもぜひ。


『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』Filmarks
監督:セルジオ・レオーネ 1984年製作 / 144分(初回劇場版)/ アメリカ、イタリア

1920年代ニューヨーク。移民の少年ヌードルスは同年代のマックスと出会う。友情で結ばれた二人は禁酒法時代の波に乗り、次第にマフィアの世界に手を染めてゆく。壮年期のヌードルスが過去に思いを馳せる構成のストーリー。音楽は巨匠エンニオ・モリコーネが担当。

英語版予告編 https://www.youtube.com/watch?v=LcpCRyNo8T8


『パスト ライブス/ 再会』Filmarks
監督:セリーヌ・ソン 2023年製作 / 106分 / アメリカ

12歳の時に家族の移住で離れ離れになってしまう幼なじみのノラとヘソン。12年後、韓国とニューヨークでそれぞれ暮らす中、二人は再び連絡を取り合うようになる。前世、現世、来世を超えて人同士を繋ぐ「イニョン」という概念を扱った切ないストーリーが共感を呼び、第96回アカデミー作品賞にノミネートされた。

予告編 https://www.youtube.com/watch?v=DInSPpysK80


『ソフィーの選択』Filmarks
監督:アラン・J・パクラ 1982年製作 / 150分 / アメリカ

1947年、作家を夢見るスティンゴは南部からニューヨークのブルックリンに越して来る。間借りをした家で恋人のソフィーとネイサンに出会い、3人は友情を育んでいく。しかしソフィーには、ネイサンにも秘密にしている暗い過去があった。メリル・ストリープは今作の演技で高い評価を得て、第55回アカデミー主演女優賞を受賞した。

英語版予告編:https://www.youtube.com/watch?v=STPJVf6wqCk
ダンボ観光案内:https://www.hilton.com/ja/travel/articles/your-ultimate-guide-to-dumbo-new-york/
エンパイアストアズ公式サイト(英語):https://www.empirestoresdumbo.com/


この記事を書いた人
はるこ

神奈川県出身。短編映画を国内外で制作しています。最新作「Ramen Symphony」は現在、映画祭にエントリー中。好きな映画のジャンルは旧作、時代物、ヒューマン系など。最近はドキュメンタリーにもハマっています。

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