Ep.1 クイーンズの魅力とお気に入りの映画館 前編|ニューヨーク映画案内

ニューヨーク映画案内

ニューヨークには大小様々な映画館があります。大きなシアターには大画面のI M A Xや、高音質のドルビーサラウンドシステムなどがあり、ハリウッド超大作を存分に楽しむことができます。

対して小さな映画館(日本ではミニシアターと言いますが、米国ではインディペンデントシアターという呼び方が主流です)は、そのラインナップや劇場の個性を売りにしています。特集を組んだり、映画祭の会場となったり、オリジナルのグッズを売ったり。

映画好きとしては、そんな映画館を巡るのも、映画鑑賞と同じく興味深い経験です。今回は、たくさん巡ったニューヨークの映画館の中で、私のお気に入りをご紹介したいと思います。

ニューヨーク市の5区の一つクイーンズ区は、マンハッタンからイーストリバーを挟んで東に位置しています。ニューヨーク市最大の区、人口は約240万人に上るにも関わらず、マンハッタンやブルックリンと比べて、あまり日本ではなじみのない場所のようです。

そんなクイーンズの特徴といえば、その多様性にあります。エリアごとに集まる移民が変わり、西はギリシャから始まり、東に進むにつれイタリア、コロンビア、エクアドル、タイ、ネパール、ベトナム、フィリピン、韓国、そして中国など、世界中から集まった人々がひしめき合い暮らしています。

エリアによっては雑多な印象もあるクイーンズ。でも、その飾らない庶民的な雰囲気が魅力でもあります。

前置きが長くなりましたが、私のお気に入りのシアターはそんなクイーンズのアストリアにある、ミュージアム・オブ・ザ・ムーヴィング・イメージ(通称MOMI)です。

その名の通り、このシアターはミュージアムの中にあります。ミュージアムでは映像の歴史を体験型展示でたどることができたり、セサミストリートの創始者ジム・ヘンソンの常設展もあり、映画好きにはたまらない空間です。

そして、青い壁が近未来的な印象のシアター。262席収容のこのシアターではほぼ毎週末、特集を組んで新旧取り混ぜた映画を上映しています。

私はかつて徒歩10分ほどの場所に住んでいたので、ミュージアム会員となり、毎週映画を何本か見に行っていました。会員になると、新作映画以外はなんでもタダで見れたのです。

たくさん観た映画の中でも印象的だったのは、S F特集で観た「未知との遭遇」、メロドラマ特集で観た「模倣の人生」、ベティ・デイヴィスの演技が圧巻の「偽りの花園」など。

そして、初めて観るときは大スクリーンで、と決めていた「2001年宇宙の旅」。70ミリフィルム版で見た有名な冒頭シーンは、シアターの良質なサウンドシステムと映像美に圧倒されて、笑ってしまったのを覚えています。


ミュージアム・オブ・ザ・ムーヴィング・イメージ
https://movingimage.org/

映画やテレビ、デジタルメディアなど多彩な映像文化の歴史と革新を紹介する貴重な場所です。インタラクティブな展示や上映、ワークショップを通じ、来館者は技術と芸術の融合から生まれる新たな発想や感動を体感できます。コレクション豊富で、映像文化探求の主要拠点です。


ニューヨーク クイーンズについて

ニューヨーク市の5つの行政区のひとつであるクイーンズは、多文化の魅力が詰まったエリアとして知られています。マンハッタンの東に位置し、ラガーディア空港やジョン・F・ケネディ国際空港の所在地としても有名です。多様な民族コミュニティが集まることで、グルメや芸術、祭りなど世界中の文化を楽しむことができる点が大きな特徴です。スポーツやエンターテインメントの拠点も豊富で、全米オープンテニスが開催されるフラッシング・メドウズ・コロナ・パークなども見どころのひとつです。

アストリア観光案内:https://www.tripadvisor.jp/Attractions-g29837-Activities-Astoria_Queens_New_York.html


この記事を書いた人
はるこ

神奈川県出身。短編映画を国内外で制作しています。最新作「Ramen Symphony」は現在、映画祭にエントリー中。好きな映画のジャンルは旧作、時代物、ヒューマン系など。最近はドキュメンタリーにもハマっています。

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