ザ・シネマメンバーズさんサービス終了とロメール愛|岐阜の車窓から

こんにちは。

月風穂です。
昨年末に寂しいニュースが飛び込んできました。
ザ・シネマメンバーズさんのサービスが終了となるという内容です。

私が加入してから6年もの歳月が流れていました。

ザ・シネマメンバーズさんでは他の配信サブスクリプションでは配信されないような、「ここでしか出会えない」体験をベースとして、厳選された作品が配信されていました。

ミニシアター系の作品が数多く配信されているというのが大きな特徴です。

ザ・シネマメンバーズさんでは私が観たかったけど、観る機会がなかった作品を届けてくれました。

  • エリック・ロメール
  • シャンタル・アケルマン
  • ツァイ・ミンリャン
  • カール・テオドア・ドライヤー

などなど。

名前は知っているけれど作品を観れない!というのはなかなかに辛いものです。
本来であれば、特別上映されるタイミングで映画館で観るというのがベストです。
ただ、やはり金銭面やスケジュールの都合で足を運べないことは往々にしてあり得ます。
そんな私に手を差し伸べてくれたのです。

入会した当初は月500円(税抜き)という破格の価格で(現在は税抜き800円)、作品数は確か50もなかったくらいだったように記憶しています。
作品のラインナップも上述したように、少し映画の道に入り込んだ人が食いつくようなラインナップでした。
選択肢が少ないからこそ、本当に届けたい映画を厳選して配信している、そんな映画への愛を感じたからこそこのサービスを利用したい!と思いました。

一番思い出に残っているのは、エリック・ロメールの映画が配信されるというのを知った時でした。
「まじで!?」と飛び上がり、ずっと過去に観た『緑の光線』の思い出だけしかなかった私は、映画に詳しくない友人に誰彼構わず話していました。
ずっと前からレンタルもサブスク配信もなかったため、観る機会が全くない監督であったロメールですが、今では大好きな監督の一人です。

ロメールといえば四季の物語である作品群が一番有名なところでしょうか。
かくいう私も『恋の秋』は一番のお気に入りであり、『夏物語』には感動を覚えました。

ロメールに出てくる女性たちは皆賢く美しい。
男たちは馬鹿で女性と良い仲になることしか考えていない。
そしてロメールにはとにかく夏が似合う。
海に男女がいるだけで作品が完成してしまうのは、ロメールの監督としての力量を感じざるを得ません。
フランスでは本当にみんなあんなに文学的、哲学的な会話ばかりしているのだろうか。
とカルチャーギャップを覚えます。
会話劇だけど気取っていないし、みんなどことなく変態チック。
でも愛したいくらい完ぺきではない。
人に対する寛容さを感じさせるからこそ安心して観ることができる。
ロメールの映画が好きっていう人は、これだけの会話も不快にならず好きなわけだし、人生経験も豊富そうで多分変態。
けどそんな感じだからロメールは愛されているんだと思うのです。

もしロメール作品を観ようと思っている方がいるならば、私は一番に『クレールの膝』を勧めます。
普通なら『海辺のポーリーヌ』あたりでしょう。私もそう思います。
ですが、敢えて別の道を行くのならば絶対的に『クレールの膝』です。
相手の顔や性格ではなく、なぜか膝に強く惹かれていくというトリッキーな内容でありながらも落語的な話の展開。ロメールってこんな人なんだよ、という紹介にはもってこいの作品だと確信しています。
もしこの世界観に抵抗がないならば、ほかのどの作品でも大丈夫。

こんなロメール愛が生まれたのも、ザ・シネマメンバーズさんのおかげです。
実際はザ・シネマさんが残っているので、実質的にはもとにもどるような感じかもしれません。
少なくともザ・シネマメンバーズさんのおかげで観ることができた作品は多数あり、出会うことができた監督もたくさんいます。
大げさかもしれませんが、私にしてみればなくてはならなかった配信サービスだと思っています。
自分が使っていたものがなくなるっていうのは、思い出してみればネット関係だと初めてかもしれません。悲しい。

改めてお世話になりました。ありがとうございました。
まだ2月末までは入会することができるので、ぜひ興味のある方は駆け込みで入会されてみてはいかがでしょうか。

長くなりましたが、それでは。

作品詳細

『クレールの膝』
監督:エリック・ロメール 1970年/仏

エリック・ロメール監督による「六つの教訓語」シリーズの第5作。結婚を控えた中年男ジェロームは、少年時代を過ごした避暑地アヌシーを訪れ、旧友である女性作家オーロラと再会する。オーロラが仕事部屋を借りているボルテール夫人の家を訪ねたジェロームは、夫人の10代の娘ローラに興味を抱き、オーロラの次回作のネタとしてローラを誘惑することに。やがて、ローラの姉クレールが恋人を伴って現われると、ジェロームはクレールの美しい膝に心を奪われてしまう。主演は「女は女である」「いとこ同志」のジャン=クロード・ブリアリ。1970年に製作され、日本では1989年に初公開。2006年にロメール監督の特集「ロメールと女たち」で上映。

映画.com様より

この記事を書いた人
月風穂

真面目さだけが取り柄。 誰からも注目されなくても営み続ける日々が綴られたものが好きです。 自然さ、誠実さがこめられていると喜びで溢れます。 映画で満ちていく日常に感謝を。 映画に愛をこめて。

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