PERFECT DAYS

PERFECT DAYS

監督:ヴィム・ヴェンダース 公開:2023年

こんな人におすすめ

  • 自分のペースで暮らす人
  • 古い音楽が好きな人
  • 小さな幸せを探せる人

こんな話

東京で公共トイレの清掃員として働く中年男性、平山さんのお話です。

一見、毎日・毎週同じことを繰り返しているように見える彼の平凡な生活ですが、過去と向き合い、自分なりの幸せを追求しています。

周りの変化に巻き込まれたり、懐かしい人との再会を経て、平山さんの日常に変化が訪れる、そんなお話です。

見どころ

平山さんの日常に輝く小さな幸せ

木漏れ日に目を奪われ、神社でもらった苗木を大切に育てる。古本屋を訪れたり、行きつけの居酒屋に足を運んだり、銭湯に通ったり…。日々繰り返されるリズムの中で、小さな喜びや幸せを見つける平山さんの感性は、とても素敵です。

劇中に流れる名曲に注目!

平山さんが車の中で聴く名曲にもぜひ注目してください。カセットテープでお気に入りの曲を聴きながら眺める東京の町並みが、まるで輝いて見えるようです。

ヴィム・ベンダースの日本への愛

ヴェンダース監督は、小津安二郎の大ファンであり、日本の文化を深く愛しています。そんなヴェンダース監督が、日本を舞台にした映画を制作しただけあって、作中には日本への愛があふれています。

役所広司さんの演技が素晴らしい!

役所広司さんの演技は圧巻です!平山さんは無口な人物で、セリフは極端に少ないのですが、それでも平山さんという人柄が鮮明に伝わってきます。

感想

大好きなヴィム・ヴェンダース監督が、日本を舞台に撮った作品です。

2023年の東京国際映画祭で、TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞しました。

役所広司が演じる中年男性、平山さんの生活には一定のリズムがあります。一見すると、毎日毎週、同じことを繰り返しているだけの日常。しかし、パターン化された日常の中で、小さな喜びや幸せを大切にしている平山さんの感性に、いつの間にか引き込まれていきます。 そんな平山さんの日常に変化が起きる、というストーリーです。

平山さんの暮らしの中に輝くもの。 古本で楽しむ小説、神社からもらう苗木のお世話、カセットテープで聴く音楽、フィルムで撮影した写真、行きつけのスナックや居酒屋、木漏れ日を愛でること…。平山さんの毎日には素敵なことがたくさんあります!

何気ない毎日の中で、小さな変化を楽しむ平山さんが愛おしい…!

ラストシーンでは、役所広司さんの素晴らしい演技と音楽の効果で、号泣してしまいました…!(一般公開の時に再鑑賞した際もしっかり号泣しました。)

日本を愛するヴェンダース監督の日本文化へのリスペクトがたくさん詰まった、本当に素敵な映画です。

他にもたくさん見所がありますが、音楽好きのヴェンダース監督らしい素晴らしい選曲となっているので、これから観る方はぜひ注目してみてください!

「パーフェクトデイズ」についてはまだまだ語り足りないので、何度かに分けて投稿する予定です!

後に一般公開された際には、TOHOシネマズ シャンテでもしっかり観てきました!

シャンテはヴィム・ヴェンダースとゆかりのある映画館らしく、その場所でこの作品を観ることができて嬉しかったです。

平山さんのカセットテープを一部ご紹介

劇中に平山さんがカセットテープで音楽を聴くシーンがたくさんあるのですが、その曲をご紹介しますね。Spotifyでもプレイリストが公開されているので、ぜひ聴いてみてください。平山さんの日常に浸れるかも…!?

Perfect Day / Lou Reed

元The Velvet Undergroundのヴォーカル、Lou Reed。タイトルにもなっている曲ですね。幸せな一日を歌っているのに、どこか切なくて心にしみる曲。シンプルなメロディとLou Reedの歌声が、聴けば聴くほど味わい深く感じられます。

Feeling Good / Nina Simone

ジャズシンガーNina Simoneによる名曲。後半のシーンでキーになる曲です。力強くも美しい歌声で、新しい始まりの喜びや自由の感覚を見事に表現しています。

Pale Blue Eyes / The Velvet Underground

The Velvet Undergroundの美しいバラード。繊細で儚いメロディと、心に響く歌詞が特徴で、恋愛の喜びと切ない曲。

Redondo Beach / Patti Smith

アヤ(アオイヤマダ)が気に入る曲です!Patti Smithの力強さと繊細さが共存する楽曲。軽快なレゲエ風のリズムと、失った愛への切ない思いが印象的。

(Walkin’ Thru The) Sleepy City / The Rolling Stones

The Rolling Stonesの初期の楽曲。まだブライアン・ジョーンズがいたころの作品。穏やかなメロディと軽快なリズムが、まどろむ街を散策するようなリラックスした雰囲気を感じます。

Brown Eyed GirlVan Morrison

爽やかでノスタルジックなメロディに乗せて、青春の恋の思い出を描いた楽しい一曲。聞くだけで心が弾み、リズムに乗って踊りたくなるようなワクワクするメロディです。

この映画を見た映画館

情報

監督:ビム・ベンダース
脚本:ビム・ベンダース 高崎卓馬
製作:柳井康治
出演者:役所広司 柄本時生 中野有紗 アオイヤマダ 麻生祐未 石川さゆり 三浦友和 田中泯