【Podcast】#016 #017 新たなコミュニティシネマのかたちを模索する、シアターカフェ土間シネマ ゲスト:館長吉田さん

キネマ・デイズ

大阪城東区 今福西 4丁目にあるシアターカフェ『土間シネマ』館長吉田さんに、土間シネマのなりやちや、今後の展望などお伺いしています。ご自宅を改装したシアターカフェということで、お客様同士の交流を大切にしており、コミュニティシネマの新しい形を模索していらっしゃいます。

ぜひ、大阪にお住まいの方は行ってみてください!

▼土間シネマ公式サイト
https://www.domacinema.com/

#015 新たなコミュニティーシネマのかたちを模索する、シアターカフェ 土間シネマ【前編】 ゲスト: 館長吉田さん

はじめに

皆さん、こんにちは。

この番組は、ミニシアターやミニシアター系映画が好きな人たちが集うコミュニティ「カシミヤフィルム」がお届けします 。第15回目の「キネマデイズ」では、大阪にあるシアターカフェ「土間シネマ」の吉田さんをゲストにお迎えしました 。

私が土間シネマさんを知ったのは、カシミヤフィルムのオープンチャットで教えてもらったのがきっかけです 。その後、Instagramのライブ配信に来てくださり、テキストで少しお話ししたことがきっかけで、今回のポッドキャストに出演していただくことになりました 。映画愛に溢れたお話をたくさん伺いましたので、ぜひお楽しみください 。

それではどうぞ。


土間シネマ」の自己紹介と誕生秘話

みどり: 本日は大阪にあるミニシアター「土間シネマ」の吉田さんにお話を伺っていきます 。

吉田さん、簡単に自己紹介をお願いします 。

吉田さん: はい、はじめまして 。大阪市城東区の蒲生四丁目にあるシアターカフェ「土間シネマ」の吉田と申します。去年2024年10月に、自宅兼ミニシアターという少し変わった形で、最大10名が入れる本当に小さな映画館を経営しています。映画関係の仕事も業界知識もまったくない、本当に素人が作った映画館ですが、よろしくお願いします 。

みどり: すごいですよね。私もド素人で始めたので 。ド素人つながりで、勝手にシンパシーを感じてます 。

吉田さん: そうですか。

みどり:でも、始めてみたら、プロの方たちが皆さんすごく優しくて 。応援してくれる方や、「楽しそうだね」と言ってくれる方が多いですね 。

吉田さん: そうですね。配給会社の方やインディーズの監督、プロデューサーの方たちは、東京からもわざわざ足を運んでくださったりします。

みどり: 素敵です。土間っていうのもいいですよね。

吉田さん: もともと映画館をやるつもりはなくて 、コロナの時に自宅をフルリノベーションすることになったんです 。コロナで映画館に行きづらい状況だったので、夫婦2人で楽しむ映画館を作ろうと思って土間にしたんです 。

みどり: ああ、いいですね 。本当に土間なんですか?

吉田さん: 土間です。土足で入れます。だから、初めて来たお客さんは「靴は脱いだほうがいいですか?」と最初に聞かれますね 。

みどり: 写真を見てて、靴を脱ぐのかと思ってました。

吉田さん: いやいや、靴を脱いで映画を見ると集中できないなというのが自分の中にあったんです。より映画館っぽくしたかったので、靴を履いたまま見れるようにしました。家の1階の半分は完全に土足です。

みどり: へー、いいですね。店内もおしゃれですよね。

吉田さん: 全然お金がなくて、映画館用にかけた費用は法的な設備と音響の強化だけなんです。だから、「我が家のリビングで皆さん見てください」という感じです。

みどり: 映画館として営業するには、法律的な許可を取るのが大変みたいですね。

吉田さん: そうですね。消防や保健所の検査も必要で、そういった費用は本当にかかりました。

みどり: わあ、大変ですね 。その中でやろうという気合いが素晴らしい 。

吉田さん: 流れでやってる感じですけど、本当に好きなんですよね。


上映作品の選定基準

みどり: 続いての質問ですが、いつも土間シネマさんのラインナップが素敵だなと思っていて 38。私も都内で見ていたりするので、好きな作品が「あ、土間シネマさんでもやるんだ」となることが多いです。最近だと『メイデン』とか『ボサノバ~撃たれたピアニスト』を上映されていて、すごくお気に入りだったので。どういった基準で選定されているのかお伺いしたいです。

吉田さん: これ、他の劇場さんに聞きたいくらいなんですけど、僕に基準はないんですよ。ただ、毎日いろんな映画を調べたり、資料をいただいたりする中で、今は土間シネマに来てくれているお客さんを思い浮かべながら、お客さんが好きそうだなと思うものを選んでいます 。

土間シネマでは映画の上映後におしゃべりする時間があるので、「これ一緒に見たら、その後の話が面白そうだな」という思いで決めている感じです 。

みどり: お客さんは、ちょっとアートっぽい作品が好きな方が多いんですかね?

吉田さん: いやいや、『メイデン』や『ボサノバ~』は、リピートしてくれるお客さん向けというより、新規のお客さんを狙いたいという思いと、常連さんにも「こういう映画もあるよ」と紹介したくて上映しました 。すごく良い映画だったので 、「普段見ているものと少し毛色が違うものを見て、こういう世界もあるんだと感じてほしい」という思いがありました 。

みどり: いいですね。お客さんは、映画をたくさん見ているというよりは、ご近所の方が多い感じですか?

吉田さん: そうですね。地域の高齢の方、50代、60代の方に支えられています 。平日はそういう方ばかりです。すごく映画好きというよりは、どちらかというとライトな層が多いと思います。

みどり: 居場所的な感じなんですね。カフェっぽくなっていると、ミニシアターに敷居の高さを感じる人も行きやすいのかなと思いました。

吉田さん: そうですね。ハードルを下げたいという思いがあります。朝起きて、「ちょっと行ってこよう」くらいの感じで来れるお店を目指しています。

みどり: めっちゃいい。近所に欲しいです。私は昔、ミニシアターに行くのが少し緊張してました。映画に詳しくないから、「ガチ勢」の人にバレたら怒られそう、みたいな。

吉田さん: それで言うと、多分僕自身が「ガチ勢」じゃないのかもしれません。映画は好きですけど、「映画好き」って言えないんですよ。なので、安心してほしいですね。

みどり: そこがいいのかもしれないですね。イベントのタイトルもすごくいいと思いました。

吉田さん: 正直、そのイベントタイトルは勇気がいりました。「映画館がこれを言っていいのかな」と考えながらも、良いと思って実行したんです。


土間シネマのイベントと「映画」というツール

みどり: まさにそういうイベントなんですね。

吉田さん: 本当にその通りです。ただただ映画についてゆるく語り合うイベントです。予告編を流して、選んだ理由などを話しますが、映画の話は半分くらいしかしないんです。どこどこのお店が美味しかったとか、雑談で盛り上がったりしています。でも、映画がきっかけで集まった人たちが仲良くなっているので、それでいいかなと思って、本当にゆるくやっています。

みどり: いいですね。やっぱり映画館行って話をするってなかなかないから、知らない人と話せるのはいいですよね。オンライン交流会を何度かやったんですが、そこまでいけないんです。

吉田さん: 難しいですよね。

みどり:みんなちゃんと真面目に感想を言ってくれるんですが、雑談まではなかなかブレイクできないなと。やっぱりリアルに会うと違いますね。

みどり: 本当に土間の家っぽさがいい感じに作用しているのかもしれないですね。お菓子やジュースを持ち寄ってホームパーティー感覚で楽しんでいるんですか?

吉田さん: はい、そうです。

みどり: めっちゃいいですね。行きたい。私が土間シネマさんを知ったのは、カシミヤフィルムのオープンチャットで教えてもらったのがきっかけでした。

吉田さん: 多分その方が、以前のライブ配信のことを教えてくださったんでしょうね。

みどり: めっちゃ素敵な出会いでしたね。

吉田さん: 僕もびっくりしました。名前を呼ばれたので。

みどり: 「これが噂の?」って思いました。2人くらいに聞きましたね。似た雰囲気があるからですかね。私も「映画詳しくない」ってずっと言ってるので、似てるなと思います。

吉田さん: 同じ匂いを感じてくれているのかもしれません。ここだったら優しそう、と。

みどり: 私自身も映画に詳しい人に囲まれると緊張しちゃうので、やっぱりちょっとゆるい方がいいんです。

吉田さん: 僕もまったく同じです。『メイデン』のように通好みの作品を上映する時は、お客さんたちが映画好きのカテゴリーなので、ちょっと緊張しました。知らない人ばかりの客席を見たときは、「絶対に失敗できない」と思いました。

みどり: 深い話を振られたらドキドキしますよね。

吉田さん: 最近はもう開き直ってますね。「見てないです」と。でも、紹介されるとすごく興味が湧くので、すぐに調べるようにはしています。

みどり: 分かります。詳しい人たちがバカにしてきたりしたことは一度もないし、みんな優しく教えてくれます。詳しい人でも、見てない映画の話になると焦るそうです。詳しい人でも『スター・ウォーズ』を見たことがないと言う人もいるんです。それをちゃんと正直に言えるのが素敵です。

吉田さん: そうですね。僕は大学が大阪の芸大で、映画を作ったりしていました。19、20歳の映画好きが集まると、マウントの取り合いになったり、映画を押し付けられたりするのがすごく嫌で。その経験が、今のイベントタイトル「映画好きって言えない私たち」に込められています。

みどり: 分かります。私も音楽で同じ経験をしました。

吉田さん:若い頃はマウントを取りがちですよね。傷つくし、「もう人前で映画好きって言うのやめよう」って思っちゃいます。予防線を張っちゃいますよね。

みどり: 分かります。

吉田さん: 僕もそういう経験があったのもありますが、実際に来たお客さんと話してみると、やっぱり8割くらいの人が「いやいや、そんなことないです」とか、「映画館の人に映画好きとか言えないです」と言います。でも、話してみると、ハリウッド映画が好きな人やアジア映画に詳しい人など、好きなポイントが違うだけで、やっぱりみんな映画が好きなんですよね。映画について話したい、一緒に話せる友達がほしいという声が多かったので、このコンセプトでイベントを始めることにしたんです。

みどり: そうだったんですね。土間シネマをオープンしてしばらくしてから始めたんですか?

吉田さん: そうです。半年くらい経ってからです。

みどり: やはりそういう声が多かったんですね。

吉田さん: そうです。上映後のおしゃべりの時間に、お客さんが話をしたい、そういう友達が欲しいという気持ちをすごく感じたので、「これに特化したイベントをやろう」と始めました。やっぱりいるんですよね。みんな映画が好きなんです。

みどり: 映画の話でつながった人って、仲良くなれますよね。

吉田さん: そうですよね。もともと、映画はツールだと思っているんです。コンテンツは飽きられて消費されていきますが、ツールとして使えば長く愛されるものになると思っています。だから、コミュニケーションツールだと思っています。

みどり: 消費されて使い捨てされるのではなく、それが何かの役に立つというか。

吉田さん: それをきっかけに何かが起きるものになったらいいなと思っています。

みどり: 素敵です。

吉田さん: そういう意味では、土間シネマに来るお客さんは話が盛り上がって、飲みに行ったりすることもあります。顔を合わせる人たちが、そのうち一緒に予約を取るようになったりとか。そういう姿を見るのが僕はいま一番楽しいですね。

みどり: それは幸せな気持ちになります。

吉田さん: 本当に幸せです。「ああ、やってよかった」といつも思います。

みどり: 映画、特にミニシアター系の映画が好きな人って、1人で観に行く人が多いから、話をする友達がいないということがありますよね。

吉田さん: そうなんです。大きなシネコンでも、300席が満席になったとき、そこにいる300人は「観たいもの」や「好きだと思うもの」が一緒なわけじゃないですか。そう考えると、もしそこから何でもできるはずなんです。

みどり: 分かります。

吉田さん: ゴダールが好きでも、それをなかなか表に出せない人がいる。でも、映画館に足を運んでいる人は、絶対に同じものが好きなんですよ。絶対友達になれると思っています。同じ共通の話題が1つあるので、映画を見終わった後に「今のどうでしたか?」の一言だけでも、絶対にしゃべれますよね。

みどり: しゃべれます!!

吉田さん: 同じ年代だからといってクラスに閉じ込められた40人より、もう少し能動的な集まりだと思います。

みどり: 確かに、自ら選んで来てますもんね。

吉田さん: 映画を使って仲良くなりたい、コミュニケーションを取りたいというのが、僕のすごく大きな柱になっています。


「映画」で人や企業を繋ぐ新たな試み

みどり: 確かに。映画の話ってその人の人となりが分かるような話になりがちだから、それも楽しいですよね。一歩二歩踏み込んだ内面に触れるような話が多いので、それが似ていたりすると嬉しいし、違っても楽しい。『メイデン』とか、自分を投影しやすい作品だと、感想もバラけて、その人らしい感想になるのが面白いですね。

吉田さん: 本当に面白いです。映画を見た後、そこから引き出される自分のエピソードを話すと、「実は僕も昔こういうことがあって」といった話が聞けて、その化学反応がめちゃくちゃ面白い。

吉田さん: 不思議ですよね。自分や他人の新たな発見にもつながる。映画はコミュニケーションを引き出すツールですね。毎月1回、社員に同じ映画を見せた方がいいと思うんですよね。

みどり: 確かに。

吉田さん:2時間会議するより、2時間映画を観て、そのあと30分みんなで話した方が相手のことをよく知れると思います。

みどり: それを推進するコンサル会社とかやったらどうですか?

吉田さん: やりたいです。福利厚生費で落とせますよ、みたいな。そういうことをビジネスの世界にも持っていけたら面白いなと思います。

みどり: めちゃくちゃいいですね。その会社の人間関係の問題にフィットした作品を選んだりして。

吉田さん: ハードルは上がりますけどね。でも、すごくいいかもしれない。

みどり: やるときはお手伝いするので、声をかけてください。

吉田さん: まずは『インターンシップ』(Googleのインターンに入る2人の映画)みたいなコメディから見せようかな。ビジネスよりの映画から見せて、面白いと思ってもらいたいです。

みどり: 相手の立場に立つとかもできそうですね。いいな、面白い。そういうことを考えている人に初めて会いました。


「映画好き」と言えない人のためのコミュニティ

みどり: もう少し「映画好きって言えない私たち」について。ルールとかもあるってお話でしたよね。

吉田さん: はい。コンセプトは「ゆるく喋りましょう」という場なんです。そのうえで、映画に関する知識マウントを取ったり、人の好き嫌いや意見を頭ごなしに否定したり、「あなたってこうですよね」と決めつけたりする行為がNGなんです。これらは当たり前のことですが、あえて提示することで、自信がない人も話しやすくなるかなと思って掲げています。

みどり: 素晴らしいです。そういうことをされると萎縮しちゃいますよね。

吉田さん: そうなんです。僕自身も、大学時代にそういう経験から逆に映画を見なくなっちゃったんです。

みどり: 義務感っぽくなっちゃうんですね。

吉田さん: そうです。大学4年間が一番映画を見てなかったんじゃないかな。『千と千尋の神隠し』だけは見ましたけど。

みどり: でも、そこに戻ってきたということは、やっぱり好きなんじゃないですか?

吉田さん: 不思議でした。疲れている時に足が向くのが映画館だったんです。レイトショーに行ったり、休みの日に寝たいと思っても、やっぱり映画館に行こうと思ったり。

みどり: ちょっと現実逃避できるというか?

吉田さん: それはすごくあったと思います。だから、僕はしんどい時ほど映画館に行った方がいいんじゃないかと思うんですよ。仕事で疲れている時は、強制的に携帯を消さなければいけないし、他人の話や価値観に触れることができる。2時間集中すると脳みそが疲れると思いますが、それは良い意味での疲れだと思います。究極のデトックスになるんじゃないかなと思っています。

みどり: 面白い映画や余韻が残る映画だと、そのことについてずっと考えられるから、余計なことを考える時間が減りそうですね。

吉田さん: 産業医と組んで「ストレスが強い方は映画館に行ってみてください」とか、いいかもしれませんね。

みどり: 映画離れしている人たちに、どうやったら映画を見てもらえるかをずっと考えていました。最初は映画をあまり見ない人に見てもらいたいと思って始めたんですが、結局は映画好きな人が集まってきてくれているので、まだそこにはたどり着けていないんです。

吉田さん: 難しいですね。

でも、土間シネマのお客さんで、仕事に忙しく映画を観たことがないという50代の男性がいました。ドラマも見るのがしんどいと感じる方だったのですが、あるきっかけで映画館に足を運び、携帯電話をOFFにしたら「これが必要なんだ」と思ったそうです。それから50代で初めて映画館に行くようになり、土間シネマに月に1、2回も来てくださるようになったんです。

みどり: その話、すごく共感できます。デジタルデトックス、いいですね。

吉田さん: そういう力があるって、すごくいいものだなと思いますね。

みどり: 私も会社の若い子に映画の話をしたら、人生で5本しか見たことないし、映画嫌いって言われたことがあって。音楽が好きだからと音楽映画のDVDを貸したけど、見てくれなかったんです。

吉田さん: 「映画好きなら絶対映画好き」という決めつけはNG行動だったかもしれませんね。その人に合ったアプローチがあるのかもしれません。でも、「居場所」というのは非常にいいかもしれません。

みどり: サードプレイスみたいな存在になりたいですね。仕事や家事、育児で疲れた方が、一時的に2時間だけでもそういう時間を作れる余裕を持ってほしいし、また次の1週間を頑張れるような場所を提供したいです。


おわりに

みどり: はい、というわけで、皆さんいかがでしたでしょうか? ミニシアターとも上映会とも違う、アットホームな雰囲気で経営されているなと思いました。次回も面白い話を2回に分けてお伺いしていますので、ぜひ聞いていただければと思います。それでは皆さん、また会いましょう!

#016 シアターカフェ 土間シネマの今後の展望について【後編】 ゲスト: 館長吉田さん

皆さん、こんにちは。

この番組は、ミニシアターやミニシアター系映画が好きな人たちが集うコミュニティ「カシミヤフィルム」がお届けします。改めまして、カシミヤフィルムのみどりです。前回に引き続き、大阪にあるシアターカフェ「土間シネマ」の吉田さんにお話を伺いしました。ぜひ聴いてください。

それではどうぞ。


映画館という居場所

みどり: なんか、それってシネコンでもできるのかもしれないけど、でも私はシネコンよりもミニシアターの方がホーム感があって、サードプレイス感がすごいあって。それが好きになったきっかけだったんですよね。なんだろう、「お気に入りの秘密基地」じゃないですけど、みんなにバレてない自分のとっておきの場所みたいな感じが好きで。

吉田さん: いや、いいですね。なんかその好きな劇場がどこかっていうと、ちょっとその人の個性が見えるところが良いですよね。

みどり: 確かにそうかもしれない。

吉田さん: 「あ、そっち派なんだ」みたいな?

みどり: そう、そっち派。ちょっと関東の方は分からないですけど、関西とかだったらちょっとあるんですかね?

吉田さん: ああ、あるんですかね。あ、じゃあちょっと、あ、確かにね、上映してる作品の傾向とか、そういう傾向が、やっぱりそれぞれ劇場が違うので、ああ、そういうの分かります、分かりますって言う。

みどり: いや、それも分かりますね。この間、チャットの方で、ちょっと大人っぽい映画館が好きな方がいて。代官山じゃないや、あの渋谷の「ル・シネマ」とか「Bunkamura」、あとは恵比寿の「ガーデンプレイス」とか、そういうちょっと大人な高級感のある綺麗なミニシアターが好きですって仰る方がいて。そういう軸で、私もその二つの映画館行きますけど、そういう軸で見てなかったから、「ああ、そういうちょっと大人の嗜み的な映画の楽しみ方も素敵だな」って思ったんですよね。ちょっとバーに。

吉田さん: いや、いいですよね。うん。そういう、すごい良いですよね。うん。いいな、その人なりの映画館の楽しみ方、ちょっと見つけてほしいっすよね。

みどり: うん、そうですね。そういう、確かに。

吉田さん: いや、だから僕とかはやっぱり劇場運営する上で、そういうのも意識したいなと思うんですよね。「ああ、なるほど」うん。のは意識しないとなって、自戒の念を込めて思う感じですね。


土間シネマのコンセプトと挑戦

みどり: でも、めちゃくちゃコンセプトがはっきりしてるというか、なんかすごくアプローチがなんだろうな、人に伝わりやすいような感じがしますけどね。

吉田さん: うん、まあけど、そうですね。まあ映画だけというか、映画だけではそのコンセプトってなかなか伝えにくいところは正直あるので。やっぱり正直、やっぱり経営の部分があるので。でお客さんどんだけ好きで、自分の出したい色でも、お客さんが入らなかったらなかなか長続きしないので。

みどり: そうですよね。

吉田さん: そういう部分を僕はイベントでも、そのイベントタイトルの分かる部分で表していこうというのも一つあるかもしれないですね。

みどり: いや、面白い。いいですね。いや、ほんと近所に欲しい。めっちゃ近所に欲しいです。誰か、なんか土間シネマさん二号を関東に作ってほしい。

吉田さん: そういう、関東か。なんか、時々やっぱりお問い合わせありますけどね。

みどり: あ、そうなんですか?どんなお問い合わせですか?

吉田さん: 「作りたいです」っていう。土間シネマではないですけど、こういうことやりたいからどうやってやってますか?みたいな。

みどり: あ、やっぱそうなんですね。相談が来るんですね。

吉田さん: これは結構ありますね。なんか結構作りたい人多いみたいですよね。コミュニティシネマとか、上映会やりたいとか。

吉田さん: 実はどこそこで上映会やってるんで、本当にそれこそ参考にして、結局話を聞いていくと、まあ、要は最終的には劇場を持ちたいっていう感じ。

みどり: いや、結構多いですよね。割と私も知り合うんですよ、そういう方と。私自身も。 私自身もなんか上映会やりたいなって最近思ってて、場所探したりとかしてたんです。やっぱなんか作りたくなっちゃうんですかね?

吉田さん: いや、だからそう、だからやってくださいよ。一回、カシミヤフィルム主催上映会。あの関西でやる時、うち使ってください。

みどり: ああ、マジっすか。

吉田さん:ぜひぜひ。みどりさんが選んだ作品をうちで。めっちゃやりたいっすね。

みどり:一回も上映会とかやらずに作ったんですか?

吉田さん: いや、やりました。あの、やってました。じゃあまだ仕事をしなが、土曜日から、土曜日に上映会してみようってなって、で映画借りて、自分たちでチラシを作って、コピーしても近隣のマンションに、こう会社帰りに配って歩いて、迎えた当日。友達とかには誰にも言わず。

みどり: あ、そうなんですか。

吉田さん: そうなんですよ。誰もそういう身内を集めるとかじゃなくて、その時、なんでか誰にも言わずにやろうってなって、嫁と二人でチラシ配って迎えた当日、ゼロ人でした。

みどり: マジっすか。

吉田さん その時のキャッチコピーが「我が家で一緒に映画見ませんか?」みたいなチラシを配ってて。怪しかったのかな?

吉田さん: ちょっと。そりゃそりゃ無理だなと今思えば。

吉田さん それを半年一年、半年ぐらいかな。延べ一年ぐらいだと思うんですけど、オープンまでのギリギリまでで、全部でちょっともうあんま記憶ないですけど、5、6回やったんですよ。だんだんお客さんがついてきて。

みどり: あ、そうなんですね。ついてくるものなのですね、やはり。

吉田さん はい。で、途中から事業化しようって、お店にしようっていうのもあったので、途中からなんか「実はこれ、ほんまにお店にしようと思う」みたいな。まあ、ちょっとテストマーケティング的な要素に変わっていって。で、合間合間に、なんか「フリーオープンデー」って勝手に名付けて、なんか我が家の1階を自由に「見れます」みたいな。今思うと、お店でもなんでもないのに何をしてるんかよくわかんないんですけど。

みどり: え?それは映画を見るんじゃなくて、お家の中を見学するってことですか?

吉田さん そうです。

みどり: え、その上映会自体もじゃあ、その改装前のお家でやられてたってことなんですか?

吉田さん 元々もうその、改装してました。改装してて。

吉田さん だから二人の映画館の時ですね。もうホームシアターの段階の時にやり始めて、結局インスタを、その1階でやる時に、もう撮っちゃったんですよ。で、二人で土間シネマっていう名前をつけて、「あだ名」のように自分たちのリビングを土間シネマって呼んでたので。

みどり: 可愛い。

吉田さん じゃあ、もう、もうそのまんま土間シネマっていうのでインスタを作ったんです。で、そしたら、しばらくしたらやっぱりチラシを見て、フォロワーは増えていったんですよね。ちょくちょくの、数十人とかですけど、100人いってないぐらいで。で、そう、そうなってくると、やっぱり2回目やる時とかにお客さんが来るようになって。でお客さんに話聞いて、「いや、実は1回目やってたのも知ってましたよ」とか言われて、「え?なんで来てくれなかったんですか?」って聞いたら、「え、なんかどんなとこかわからんから怖くて」みたいなこと言われて。「じゃあ、フリーオープンデー作ってみよう」っていうのでフリーオープンしたんです。

みどり: はいはいはい。いやでもいい感じがしますけどね。内覧会みたいな。なんか歯医者とかもやるんですよ。大体内覧会を。クリニックとか開業すると大体内覧会するんですよ。

吉田さん 最近やってますね。

みどり: やってます、やってます。で、先生もどんな人なのか分かんなくて、特に小児科とか。いきなり先生んとこ行くの怖いみたいな感じで。

吉田さん それ、けど、それがこう本当に地道にやってきてって感じですね。

みどり: あ、やっぱそういうスモールステップでやられてるんですね。

吉田さん スモールステップです。スモールステップです。本当に。やっぱちょっとわかんないですもんね。


配給会社との関係と今後の展望

吉田さん: 配給さんとの付き合い方というか、やっぱりそこら辺のね、交渉とかも全然違うので。

みどり: そうですね。大変らしいですよね。あれもなんかちょいちょいお伺いするんですけど、お付き合いがないとなかなか難しかったりとか。

吉田さん: そうですね。うちもだからやりたくてもね、まだやっぱり実力不足でさせていただけないとかあるみたいですよね。はい。あるので、まあそこは俺、苦労ですけど、まあ頑張ろうと思いますけどね。なんか逆に、逆に燃えるというか。

みどり: 確かに。確かに。なんかこの間、取材させていただいたその私が、すごい大好きな横浜シネマリンさんっていう、あの神奈川だともう大体皆さん好きな映画館があるんですけど。そこの支配人の八幡さんという方も同じことを仰ってました。最初始めた時に全然好きな映画かけさせてもらえないの、って。でも今、横浜シネマリンさんのラインナップを見てると、絶対に、まあ大好きな作品をかけていらっしゃるんだろうな、ってやっぱ思うんですよ。

吉田さん: いや、いいですね。いや、けど、本当ダメ元で連絡していけた時とか、もう小躍りってやってますもんね。「やったー」みたいな。上映中なんで声出せないで「うー」ってなってます。

みどり: めっちゃいい。いや、でも楽しそうは大変だと思うんですけどね。でも、なんかこう、楽しそうな雰囲気が伝わってきました。

吉田さん うん。

みどり: そのお家にポスティングしてるの。え、絶対楽しかったんだろうなって。

吉田さん 楽しかったですね、本当に。

みどり: いや、分かります。なんかやっぱりこう会社勤めと違って、自分が考えてアクションを起こしたことに対して、なんかまたリアクションが返ってくるってこんなに嬉しいんだって思いますよね。

吉田さん いや、思います。本当にいいこと。もちろん、いいことばかりじゃないっていうのはありますけど、夜入れたチラシが朝捨てられてるのを見たりとか。

みどり: 切ない~!

吉田さん あるマンションなんか、本当に大量に捨ててあって。もう朝、会社、その時まだ会社行くと言ってる時で、「うわー」と思って、ちょっとこう凹みながら会社行ったんですけど、やっぱりそこからこう、それこそ自分で考えてやったことがダイレクトにっていう、この。 じゃあチラシのキャッチコピー変えようとか。

みどり: ああ、なるほど。

吉田さん: じゃあ作品の詳細をもっと入れようとか、自分たちのことを分かってもらう説明を入れようとか。そういうことを繰り返していくと、掃除マンションの捨てられてるチラシがなくなっていったり。

みどり: わあ、すごい!

吉田さん: 「わあ」と思って。「よかった。捨てられてない」と今回はと思って。もうなんかそれがすごい嬉しかったですね。

みどり: いや、マジで感動します。それ何なんですかね?会社でやってても、まあ仕事でも「よっしゃ」って思う時ありますけど。もちろん。でもあの、なんか一喜一憂って、なかなこんな小さなことで私喜べるんだ。いや、素敵です。

吉田さん なん、なんですかね。けど、なんか多分なんか「通じた」ってどっかで思うんでしょうね。自分の思いとか。

みどり: そう、分かる。

吉田さん うん、なんか努力が報われたっていうことよりも、なんか自分たちが映画を見せたいっていう思いを理解してもらえたのかな、通じたのかなって、その時はすごい思って。ああ、この人も映画を、なんかこう、ちょっと映画に興味を持ってくれたのかなとか、そういうふうに思ってましたね、その時は。

みどり: いや、それは感動しちゃいますね。確かに思いが通じるから嬉しいのか。確かに。


映画館経営の楽しさと苦労

みどり: なんか、それって全然お金儲かったとかと、全然なんか別の場所にあるじゃないですか。いやー分かるわ。なんかめっちゃ人の話でも感動しちゃいますね、やっぱり。「めっちゃ分かる」と思って。

そう。私なんかも、もう始めた時にミニシアターの方がチラシを快く「いいでしょう」って置いてくださっただけで「ぴえー」ってなってました。最近。そう、本当にまさにそうじゃないですか。

最近ちょっと追えなくなってきちゃったんですが、 チャットに入ってきてくださる方に最初は一人一人にご挨拶してて、「入ってきてありがとうございます」みたいな。皆さんに挨拶してたんですけど、もう一回一回感動しちゃいますよね。毎日。

吉田さん 感動しちゃう。すごい。今日それ仕事しながらですもんね。フルタイムで。

みどり: あ、そうですよね。そうですよね。そう、仕事中に携帯見ながら一人うるうるしたりとかして。

吉田さん あ、ちょっと会社側の目線で考えると、ちょっとあれですけど。

みどり: ちょっと申し訳ないんですけど。なんか自分の従業員がそんなことしてたら嫌だろうな。「ごめん」みたいな。なんかこう、結構上司とかに申し訳ないとか思ったりとかしてましたけど。でも、もうそれ以上に自分の感動が勝ってうるうるしてます。

みどり: いや、分かります。何物にも代えがたいですね。「頑張ろう」って思いますよね。

みどり: それでだから続けられるっていうのはめっちゃ分かります。え?いいな、私も作りたい。映画館。

吉田さん いや、作ってくださいよ。もう。

みどり: 作りたくなっちゃいますね。話聞いて。ありがとうございます。

みどり: いや、ありがとうございます。でもそういうふうにね、やりたい方も、なんか背中を押したりとかっていうのもすごく素敵ですよね。なんかちっちゃい映画館でも、そういう上映会でもいっぱい増えたら、また映画見る人も増えて。

吉田さん: すごい素敵な。本当にありそう。

みどり: いや、ほんとそうです。なんかそこ、そこそこ見たくて頑張ってるとこありますね。なんか。

吉田さん: そうですよね、そうですよね。なんか新たななんか、映画とその人の付き合い方みたいなのが模索できるといいですよね。映画館の形にとらわれずに。

みどり: いやでも本当土間シネマさん、そういう感じしますよね。なんかこう映画館というスタイルにとらわれず、新たな独自のこうスタイルでやられてるなって、すごい感じました。お話聞いてて。

吉田さん: なんか多分、どっかで映画館じゃなくてもいいってのは正直思っていて。なんかあ、そもそもあんまり自分たちのことミニシアターとも呼んでないんですよ、今。あの、マイクロシアターって呼んでるんですよね。ミニシアターよりちっちゃいですっていう意味で。マイクロシアターとかって。あの高円寺の「バッカス」さん、名前出していいのかな。バッカスさんと仲良くさせていただいてて、バッカスさんともそういう話をしてるんですけど、なんか僕自身、本当に映画が好きなので、映画好きというよりも映画が好きなので。最終的にみんなが映画館に足を運んでくれたらいいやって思ってるんですよね。うちでやってることが映画を上映することではなくなったとしても、うちきっかけで映画館に足を運ぶ人が増えるんだだったら、それでいいかなと思ってるんですよ。

みどり:あー、なるほどね。

吉田さん:もうなんか使い方が。土間シネマでは映画見るんじゃなくて、イベントの方が楽しいからイベントだけ行ってます。けど、それきっかけで新しい映画知れて、映画館行くことになりましただったら僕はもうそれでいいなと思ってます。

みどり: 確かにそれも嬉しいですよね。なんか。

吉田さん: なので、他のところで、あんまりしないこととか、できないこととかがあるなら、そういうことをやっていきたいなと思ってます。

みどり: いいですね。

吉田さん:その映画館ではなかなかフォローできないところをしていくっていうのもいいですよね。チャレンジしてみたいことがあったら、教えてください。


映画と人をつなぐ企画のアイデア

みどり: なんかちょっとお話ししちゃったけど、今後やりたいこととかありますか?

吉田さん:そうですね。一番ここ長いんですけどね。だけど、本当に映画館を通してコミュニケーションを、コミュニケーションツールとしてやっていきたいっていうのはずっとあるので。

みどり: うん。

吉田さん: で、なんかそこはすごく、ただその映画好きって言えない私たちみたいな、そしてライトな方向けのイベントはもうずっと継続してやっていきたいし、ただなんかこう、そういうところに来てとか、うちで映画の楽しさ分かって、ちょっと背伸びしたいなとか、もうちょっと詳しくなりたいなっていう人向けのイベントもできたらなと思ってます。なんかしかもなんかそれ、今日僕、映画関係者に全然コネもないので、あの全然違うアプローチで。なんかタイ映画をやるときに、前タイに住んでた人とか呼んで、なんかタイの文化ってこんなんなんですよとか、なんかタイの食べ物ってこんなんあるんですよみたいな話聞きながら見たら、「あ、この進展前、あの人が言ってたやつだ」みたいな新たな楽しみ方できるかなとか、ちょっとそういう方面で考えてたりとか。これはお客様、本当に数名から言われてるんですけど、「合コンがしたい」ってすごい思ってる。

みどり: 合コン、いいですね!!

吉田さん: はい。映画合コン。日本の恋愛映画見て、それについて、まあ、それも話のネタに。合コンすると、なんかこう、恋愛の価値観見えてくるんじゃないかなと思って。

みどり: 確かに。面白い!

吉田さん: 「え、あの主人公、あいつちょっと嫌やったよね」とかって。「え、私、ああいう男の人が好き」とか、「あ、そうなんや」みたいなことが起きないかなと思って。なんかこう、映画合コン、映画婚活みたいなことをちょっとしていきたいなと思って。

みどり: うわあ。

吉田さん: ちょっと。これはちょっと時間かかると思うんですけど、実現させたいなと思って。

みどり: それ見てるのめっちゃ楽しっすね。

吉田さん: いや、そうです。ちょっと「ねるとん」気分じゃないですか。私はねるとんって思ってた。ねるとん気分でやりたいなと思って。

みどり: いや、めちゃくちゃ楽しそう。いやいいなあ。なるほどね。なんか単に映画好きな人たちの合コンだと思ったら違うんですね。その、映画を見て。

吉田さん: それやりたいなあって。

みどり: ぜひやってください。実現してほしい。

吉田さん: ちょっとね、どうやって実現したらいいかも模索中なんですけど。

みどり: あ、そうなんですか?声かけたら簡単に集まるってわけでもないのか。

吉田さん: いや、なんかけど、結構。まあ、ちょっと調べると、やっぱ婚活をする上での、なんかやり方みたいなのがあるんですって。なんか、やっちゃいけないこと。運営側がやっちゃいけないこととか。

みどり: あ、そういう作法みたいなのがあるんですか。

吉田さん: お作法とか、やっぱり個人情報というか。こうね。まあ、そんなお客さんは多分うちではいないのであれなんですけど。やっぱりこう、婚活しに来た人がこうストーカー化しちゃったりとかっていう事例もあったりするらしいので。

みどり: あ、そうなんですか。

吉田さん:なんか、なんか男性を先に帰らせたらダメとかがあるらしい。待ち伏せするらしい。

みどり: え、え、怖い。

吉田さん: そうっていう話をなんかでこう、ちらっと話聞いて、「あ、これちゃんと調べてやらないと」なんか思ってる以上に、リスクというか、僕らに対するリスクよりも、来てくださる方に対する、そのやっぱりリスクっていうのはちゃんと考えて調べてやらないとなと思って。勢いではちょっとできないなと思ってるわけです。

みどり: そうなんですね。じゃあなんか逆にそういうなんだろう、街コンみたいのやってる人とこうコラボするとかもいいかもしれないですね。

吉田さん: そうですね。本当にちょっとそういうふうにやっていきたいな。

みどり: プロの力をお借りして。

吉田さん: あとは、そういう目的で映画を貸してくれる会社さんがあるかなっていうところはありますけどね。

みどり: 確かに自分とこの作品がそんなふうに。

吉田さん: そうそうそう。え、合コンで使うの?みたいな。そこ一番ハードル高いかもと思ってます。ちょっとブランディング的にNGです、みたいな。

みどり: あ、そっか。そういう許可も取んなきゃいけないんですね。

吉田さん: そうそう。もちろんやっぱりね、勝手に流せないので。

みどり: 確かに。確かに。え、ちょっと頑張ってください。

吉田さん: コラボしてくれる配給会社さん、お待ちしております。

みどり: いや、本当募集中です。私もそれ求めてます。 あ、もしくはなんかインディーズの監督とかで。

吉田さん: ああ、そうですね。どうすかね。

みどり:で、なんかちょっとそういうなんか恋愛系の番組が好きな監督とかに、ちょっとそれ用に一本撮ってもらう。

吉田さん: そうそう。

みどり:「なんか恋愛の価値観をあぶり出す」ってなんか作品を一本撮ってもらうみたいな。そういう方も募集します。 ぜひお願いします。「我こそは」という方。 「俺の私の作品は、みんなの恋愛観をあぶり出します」みたいな。

吉田さん: そしたらそれパッケージでね、どんどんどんどんいろんなとこ回っていただいてね。

みどり: いや、めっちゃいいですよ。そしたらその人の作品を結構ガチでみんな見てくれるじゃないですか。

吉田さん: いや、そうですよね。そうそうそう。でもマジで考えてくるし。で、その自分の作品をきっかけに結婚したカップルがいるとか。めっちゃ嬉しくないですか?

みどり: 本当、本当お待ちしております。もう。

吉田さん: いや、本当に。本当にお願いします。

みどり: 確かに、配給さんのハードルがあるならもうインディーズでいきましょう。

吉田さん: そうですね、本当に。


地域への貢献と新しい挑戦

みどり: 他には何かありますか?企画。

吉田さん:他企画というか、やっぱり今のうち「がもよん」って、蒲生四丁目で「がもよん」って言うんですけど。まあ、ここで映画館今できていうのは本当に、まあ、地域の方の理解がないとできなかったので。で、あと本当に始め立ち上げた当初から周りの飲食店の方がすごい宣伝してくれて、飲食店もどこのお店の常連さんとかが初め来てくれてるんですよ。そういう方たちがすごい支えてくれてたので、今度はこう、地域に貢献できる動きをしていきたいなと思ってます。もうだから、映画館である種目的を持ってきてくれるというか、遠くからでもこれが見たくて来てくれるっていう方なので、まあ新規の、全然街に対して思い入れなくても、新規の方がすごい来てくれるんですよね。だからそういう方が今度街に繰り出してもらう、飲食店のほうに行ってもらうっていう土間シネマをハブのような形で。

みどり: うんうん。

吉田さん: 蒲生四の街を散策してもらいたいなっていうふうに思ってるので。なんかそういう地域貢献であったりとか。まあ今、あの超ローカルなCMを今うちで館内CMを売ってるんですけど。

みどり: すごい。

吉田さん: もう本当に。土間シネマから徒歩3分のラーメン屋とか。

みどり: え、そういう作ったんですか。

吉田さん: ええ。そこ今ちょうどテスト段階で、今、いろんな飲食店さんに売り込みをかける場合なんですけど。で、テストで僕が仲の良いラーメン屋に頼んで、「ちょっとCM作るから、ちょっとお願い」みたいな感じでCM作ってやりました。

みどり: わあ、いい。面白い。

吉田さん: はい。そういうのを今ちょっと進めてて。ま、そういう、まあそれはね、もちろんスポンサー料みたいな格好でいただいてはいるんですけど。

みどり: はいはい。

吉田さん: あの、地域貢献していきたいなっていうふうに。あとはもう地域の人たちが、間借り、「なんかこうやりたい」とか、なんかこう、ワンコイン講座みたいな、防災講座とか救命講座みたいなのを開催して。ちょっとまだ企画段階ですけど、「開け土間」って言うんですけど。

みどり: 「開け土間。

吉田さん: はい。「開け土間」っていう形で、こう、いろんな、ちょっとこう、開放するような地域に、開放するようなスペースに少し変えていこうと思ってます。

みどり: うわ、面白い。あの、この間取材させてもらったの、岩手の宮古にある「シネマ・デ・アエル」さんが地域の方と組んで上映会をするときに地域のパン屋さんを呼んで。

みどり・吉田さん: ええ。めっちゃいいな。

みどり: で、なんかそのなんだっけ、「ツチノコ」、ちょっとタイトル忘れちゃったんですけど。「ツチノコを捕まえるオラが村のツチノコ大騒動」みたいな映画を上映した時に、ツチノコパンを作ってみんなで「捕獲する」っていう名前でパンがあって。

みどり: 即完売しました、とか言ってて。それなんかこう、映画のテーマにちなんだこう、なんかこう、人を呼んでちょっとしたイベントとかも楽しそうですよね。

吉田さん: いや、それ楽しそうですね。それいいですね。真似したいな。

みどり: いや、絶対真似した方がいいです。私もそれめちゃくちゃ行きたいと思って。

吉田さん: いや、本当、そういう、ちょっとこう、地域連携というか、いろんな飲食店が多いんで、飲食店のほうと連携しながらとか、あの、やっていきたいなと思ってますね。

みどり: いや、素敵ですね。いや、いいな。やっぱ近所に欲しい。

吉田さん:やるんですね、みどりさん。自分で。

みどり: その映画、見るだけじゃなくて。遊べる場所になるみたいな。

吉田さん:いいですよね。

みどり: そう、なんかね、なんか人が集まる場所っていう認識をすごく強めたいというか。そういうふうに思ってもらえたら、何かあったときにこう居場所になればいいなと思っているので。

吉田さん: そうですね。そういう人が集まってきたらね、また面白いこともたくさん出てきそうですよね。

みどり: そうですね、うん。やっぱ自分一人で出てきてることって少ないですよね。

吉田さん: ないですよね、本当に。もうなんか本当に皆さんの「おかげです」って感じです。

みどり: いや、分かります。私も日々それを考えてます。なんか不思議だなと思いますよね。

吉田さん: 分かります。

みどり:なんかそれでみんな「楽しい」って言ってくれてるのもめちゃくちゃ嬉しいし、自分も楽しいから、なんかみんなハッピーみたいな感じで。すごくいいですよね。

吉田さん: いや、本当に。なんか会社、会社組織にいる時って大人数で仕事をしてたけど、今一人で仕事してる時の方が、なんか申し訳ないけど「みんなありがとう」って気持ちが強いんですよね。

みどり: ああ、確かに。感謝の気持ちが溢れ出て仕方がないみたいな。

吉田さん: 会社でやっぱり働いてる時ってもっとね、なんか広範囲で大きい仕事とかもあったと思うんですけど、その時ってみん、もちろんみんなでやったって気持ちはあったけど、今よりそこの実感が伴ってなかったなと思って。今一人でやってる時の方がいろんな人とのと一緒に作ってるっていう実感が伴ってるなと思う。

吉田さん: そうですね。

みどり: やっぱその手作りで作ってるから、なんか余計こう感じるんですかね?もうすでに組織で整ってて。「はいどうぞ」仕事してるわけじゃない。まあもちろんチーム、チームの、なんかこう、熱量とか、なんかみんな良い人だったり楽しいとかありますけど、それともまた違うの。

吉田さん: めっちゃ分かります。

みどり:なんかみんなで作り上げていく感じが。なんか形にとらわれてないし、なんかゴールもそれぞれ変えれるじゃないですか。なんかお互いのゴールも、なんかちょっと見てるものがずれててもそれはそれでいいしとか、自由度が高い感じが、なんかやっぱりちょっと枠組みにはまらない感じがすごい楽しいですよね。

みどり:やっぱり。いや、いいな。私もこうやってインタビューさせていただくと。「おい、頑張ろう」って私もすっごい思うんですよね。皆さん素敵だなっていつも思います。

吉田さん: いや、もう頑張ろう。頑張りたい。頑張ろう。

みどり: いや、頑張ってますよ。

吉田さん: いやいや、もう負けてらんないぞとも思うし。

みどり: いや、思いますよね。

吉田さん: いや、分かります。いや、私も頑張ろうってなりますよね。


おわりに

みどり: あ、じゃあ、最後にいろいろお話ありがとうございました。じゃ、あのカシミヤフィルムの、あの皆さんに最後に一言お願いします。

吉田さん: 今本当に「楽しい」っていう話がね、最後はあったんですけど、本当に僕もこう、いろんな街に小さい街の映画館ができて、そこの映画館がいろんな個性があって。

で、そこにいろんな人が行き交っててっていうことを自分がいろんな場所に行った時に、小さい映画館をその街で見つけていってとか。そういう世界線、めっちゃ楽しそうだなと思って今やってるんですよね。

まあ、正直現実、経営してるとすごい大変ですし、まあ本当にずぶの素人と素人で始めてるので、全然儲からないんですけど、けどなんか、物事が本当に楽しい方向に行くって思ったら、そっちに進みたいので。

なんかこう、カシミヤフィルムのね、映画を好きな方とか、それこそこう何か自分でやってみたいっていう方がいらっしゃったら、本当に一緒に楽しんでいきたいなと思うので。

はい。今日はありがとうございました。

吉田さん: いや、こちらこそ、ありがとうございます。


みどり: はい、というわけで、皆さんいかがだったでしょうか。なんかすごい、私もえっと今年は上映会やりたいなってすごい思っていたので、吉田さんの話すごい励みになったし、なんか頑張ろうって思いました。

あと、なんか私ちょっと収録してて思ったんですけど、編集してて思ったんですけど、なんか過去一笑ってるなと思いました。なんか吉田さん、すごい面白いキャラクターの方だったんで、土間シネマさんにいかれた方は、あのチャットの方で感想を教えていただけると嬉しいなって思います。それでは次回も聞いてください。ありがとうございました。

※この文字起こしはAIを使っています。本編と少し異なる部分があるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。

この記事を書いた人
みどり
カシミヤフィルム 代表

映画とミニシアターが好きなおばちゃんです。 好きな監督はヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、ジャン=リュック・ゴダールなど。ヒューマンドラマ、音楽が素敵な映画が好物です。 その他、海外旅行、喫茶店巡り、猫、音楽が好き

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です